40代おじさんが選ぶ『はじめの一歩』のベストバウト5選

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目的地へ向かって漕ぎだす 生活

はじめの一歩を初めて読んだのが中学生の時。
ボクシングをやっていた同級生T君の部屋で読んで、なんて面白いマンガなんだと。

はじめの一歩は、いじめられっ子だった一歩が、鷹村と出会い、ボクシングで仲間とともに成長してしていくマンガです。

真面目なボクシング部分も当然ありながら、笑える部分がとても多く、衝撃を受けました。

主人公である一歩が天才タイプではなく、愚直に練習し、努力を積み重ねて強くなっていく姿も共感できます。
才能・センスがある主人公ではなく、努力継続型の天才というのもいいです。

そんな単行本を買って読むようになってから30年。

今まで百数十巻を読んできて、これがベストバウトだろうというのを挙げていきます。

はじめの一歩 ベストバウト5選

いい景色
ベストバウト
  1. 幕之内一歩 対 千堂武士(2戦目)
  2. 木村達也  対 間柴了
  3. 伊達英二  対 リカルド・マルチネス
  4. 鷹村守   対 ブライアン・ホーク
  5. 幕之内一歩 対 沢村竜平

幕之内一歩 対 千堂武士 (2戦目)

東西新人王戦で戦って以来の再戦。

新人王戦では千堂が途中で失神し、インターバルでイスから立ち上がれず、一歩が勝利しました。
しかし、お互い不完全燃焼の印象がありました。

それからお互いレベルアップし、
伊達の世界挑戦で空位となった日本タイトルを千堂が奪い、
それから一歩が挑戦者として千堂に挑むことになったこの一戦。

1Rのゴング開始と同時に一歩が奇襲で必殺の『デンプシーロール』を繰り出し、千堂からダウンを奪います。千堂は動揺しますが、持ちこたえ、徐々に千堂のペースになっていきます。

一歩・千堂どちらもパワーがありますが、体格で勝る千堂が一歩を徐々に追い詰めていきます。

5R、とうとう一歩が千堂のパワーに屈指、ダウン。一歩は立ち上がりますが、千堂が右ストレートを一閃。一歩はまたダウンしてしまいます。なんとか立ち上がった一歩は、倒されかけますが、得意のボディブローで千堂のアバラを折り、なんとかこのラウンドを耐えます。

そこから両者一歩もひかない展開、お互いさらに強くなっていく『ミックスアップ』状態が続きます。

7R、千堂が狙っていた必殺の『スマッシュ』を放ち、一歩はそれを喰らいますが、同時に放ったボディブローが折れた千堂の腹に突き刺さります。

そこから一歩得意のボディブロー、勇気のこもった目のフェイントからのガゼルパンチ。
そして最後に必殺のデンプシーロール。
一歩の必殺技メドレーをまともに喰らった千堂がダウンします。

レフェリーのカウントが続く中、千堂は立ちあがろうとしますが、

見るんや 最後まで
 見届けるんや ワイに勝った男の顔を

ファイティングポーズをとることができず、試合終了。

とうとう一歩が日本チャンピオンになりました。

お互い持てるものを全て出し切った死闘。

いじめられっ子だった一歩が日本王者まできたのに感無量。

はじめの一歩を語る上で、絶対外せない一戦です。

木村達也 対 間柴了

このマンガを強烈におもしろくする鷹村、青木、木村。

その中では一番華のない木村の一戦です。

この試合に負けたら引退すると宣言した木村と世界戦の足がかりにしたい間柴の一戦。

間柴と木村はともにアウトボクサー同士ですが、アウトボクシングではリーチの長い間柴が圧倒的に有利。ということで、木村は間柴対策のため、宮田のジムで仮想間柴を宮田と見立て、インファイトに取り組みます。そして飼っていた古代魚からヒントを得て、ドラゴン・フィッシュ・ブローという必殺技を携えて間柴戦に挑みます。

序盤、間柴は死神の鎌と呼ばれるフリッカージャブで懐に飛び込みたい木村を完全にシャットアウト。木村は全く近づけません。ただ間柴は世界にアピールするため左一本で攻め、得意ののチョッピングライトを使いません。

6R、耐えていた木村がとうとうダウン。しかし、そこから反撃に転じます。間柴の懐に飛び込めるようになり、執拗にボディを責め立て間柴の注意をボディにひきつけます。

8R、間柴の意識がボディにいったところを、必殺のドラゴン・フィッシュ・ブローが炸裂。間柴の顎にヒットし、間柴はダウン。間柴は顔面に何を喰らったかわからない状態。そこから木村が攻めたて、間柴を追い詰めていきますが、間柴も執念を見せ、クリンチでなんとか耐え、このラウンドをしのぎます。

9R、間柴も右を使い始め、木村の勢いを抑えつけようとしますが、木村の勢いは止まりません。そしてボディに意識のいった間柴に木村のドラゴン・フィッシュ・ブローが炸裂。と思ったところにカウンターで間柴のチョッピングライトが木村の顔面に入ります。木村は前のめりにダウン。執念で立ち上がった木村に恐怖した間柴が突っ込んできます。

最後、間柴へカウンターを出そうとした木村の繰り出した拳が止まってしまい、レフェリーが試合を止め終了。

木村は立ったまま失神していました。

木村がもっとも輝いた試合で感動する一戦でした。

木村は引退撤回し、現役を続行しますが、
その後は泣かず飛ばず。

また感動させてくれる試合を待っています。

伊達英二 対 リカルド・マルチネス

10年間チャンピオンに君臨しているスーパーチャンプ、リカルド・マルチネス。

伊達はリカルド・マルチネスと7年前に世界タイトル戦で戦い、
2Rで敗れて以来の再戦となります。
その間、引退・復帰し、一歩との戦いを経ての再戦です。

序盤、伊達はリカルドと互角の戦いをし、前回敗れた2Rをしのぎます。

しかし、そこからリカルドが本気モードになり、伊達を徐々に追い詰めていきます。

8Rまでに伊達はアバラを折られ、ボロボロになっていきます。

ただ伊達はインターバル中、ジムの会長に言います。

ここからが・・・俺の世界獲りさあ・・・

9R、今までボディを放っていないことを伏線に、
伊達は必殺の『ハート・ブレイク・ショット』を放ちます。
しかし、これをリカルドは読んでいたのか・・・
エルボーブロックでハート・ブレイク・ショットを止め、
しかも肘が伊達の右拳を砕きます。

その後のリカルドの一方的な展開が続き、伊達はアゴも砕かれます。

立ってる意味も無くなり、絶望を感じ、
セコンドももう止めようと言っていたところに、

妻の愛子がコーナー袖で言います。

「私達 最後まで見ているわ
 あなたの姿を 最後まで」

10R、伊達は自分がなぜ戦っているのか思い出します。

そうだよ 見せたかったんだよ
 愛子にカッコいいところをよ
 それが オレがオレであることなんだ

リカルドはその後も伊達にパンチを打ち込みますが、
伊達を殺しかねないと躊躇したところに、
再度、伊達のハート・ブレイク・ショットが炸裂し、今度はリカルドの心臓を捉えます。

これでリカルドの時間が止まり、伊達のパンチが無条件にはいると誰もが思ったところ、
伊達の返しの左フックをリカルドはかわします。

砕かれた右拳にパワーがなかったため、時間を奪えませんでした。

リカルドはとどめ前に一言。

Good-bye エイジ・ダテ!!

リカルドの右ストレートが直撃し、伊達は崩れ落ち、レフェリーストップ。

再戦もリカルドに軍配があがりました。

そのまま伊達は病院に直行。
アバラ数カ所、アゴ複雑骨折、右拳を手首から粉砕骨折という状態でした。

一歩は伊達の病院へ面会に向かいます。
伊達は病院のベッドで一歩とタッチし、バトンを託します。

次はお前の番だ、という願いを込めて。

そして伊達はこの試合を最後に引退します。

伊達の生き様とリカルドの絶対的な強さが見れた試合でした。
伊達の全てを出し切っても、それを余裕で凌駕するリカルドの強さ。

リカルド強すぎだよ。

誰が勝てるんだよっていうので衝撃を受けた試合です。

鷹村守 対 ブライアン・ホーク

続いては、日本の野生児・鷹村と世界の野生児・ホークの一戦です。

元来ミドル級の鷹村ですが、なかなか世界のチャンスが巡ってこない中、
Jr.ミドル級で世界戦の話が舞い込んできます。

もともとミドル級でも減量がきつい鷹村は、Jr.ミドル級だとさらにキツくなります。
減量に苦しむ鷹村。
やっとの思いで減量し、ギリギリで計量をクリアします。

前日の鷹村とホークの記者会見で事件勃発。
写真撮影中にホークが鷹村の顔面に拳をあてて挑発。
鷹村はなんとか我慢しましたが、鴨川会長がホークへ殴りかかります。
しかし老人の会長は軽くあしらわれしまいます。
鷹村は腹わた煮え繰り返る思いでしたが、なんとか抑えます。

そこからホーク劇場。

オレの遺伝子をくれてやる!
 20年後 日本は世界王者だらけだぜ!!

とホークに言われる始末。

国辱ものの記者会見の翌日、ついに世界戦が始まります。

会長が試合前にこの名言で鷹村を送り出します。

努力した者が全て報われるとは限らん。
 しかし、成功したの者は皆すべからく努力しておる!

序盤、ホークのありえない体勢から出てくるパンチに鷹村は苦しみます。
変則的なパンチに鷹村は追い詰められます。
鷹村は会長の教えが間違っていないことを証明するために、足を使って、ジャブを放ち、ホークにあてていきます。
スピードでホークを上回ると思いきや、ホークはそれを上回るスピードを見せ、鷹村が体勢を崩したところにホークのパンチがあたり、鷹村はダウンしてしまいます。
鷹村は精神的なショックを受けつつも鷹村とホークの撃ち合いとなります。
この手の打ち合いに慣れているホークが攻勢となり、ホークのパンチをまともに受けた鷹村がまたダウンします。

鷹村は立ち上がりますが、意識が飛んだ状態。
しかしホークが変則的によけたところに鷹村の左があたり、ホークはダウンします。

ホークの変則的な体勢が弱点となり、次のラウンドでも鷹村の左があたり、ホークがダウン。
ホークはすぐ立ち上がります。

ここからお互いノーガードで野生同士の殴り合いが始まります。

しかし、鷹村は減量苦で落ちたスタミナを5Rまでに出し尽くしてしまっていました。

そこからガス欠となった鷹村はホークに一方的に押され、ダウンしてしまいます。

それから一方的に押されますが、一歩をはじめとした鴨川ジムのメンバーの声・思いにまさしく背中を支えられます。

ホークのパンチを受けて意識が飛んだところに、今までの思い、減量苦・会長への侮辱が鷹村に込み上げます。
鷹村はぶちキレて、ホークの急所に次々とパンチを浴びせます。

怯えたホークと復活した鷹村。

ラウンド開始時に鷹村は会長に告げます。

王様になって帰ってくらあ!!」

鷹村がホークを追い詰めていきます。しかしホークも変則的な体勢のまま下からパンチを繰り出します。序盤、くらっていたパンチを鷹村はかわし、ホークへ左を打ち下ろし、ダウンを奪います。

なんとか立ち上がったホークですが、すでに気力なく、

なんで邪魔するんだよぉ・・
 お前さえ、お前さえいなきゃ・・・

といったところに、鷹村の右をまともに食らいます。

スタンディングダウンでしたが、血を吐き、
ホークは前のめりにレフェリーにもたれかかるように倒れ、試合終了。

新世界王者誕生!!鷹村が世界王者となります!!

鷹村はやはり怪物でした!

天賦の才、努力もする怪物です。

ホークは鷹村の強さを際立たせる役として最高でした。

鷹村は普段青木を使って、笑わせてくれますが、ボクシングに関しては至ってマジメ。

ジムのリーダー、先輩として、後輩を引っ張っていくのに十分な試合でした!

試合終了後のコメントも秀逸です 笑

幕之内一歩 対 沢村竜平

本作屈指の悪役、沢村と一歩の対戦です。

沢村は生い立ちの不幸もあり、歪んだ性格をしています。

ボクサーでありながら、
目障りという理由で一般人をボコボコにします。
拳には歯形がくっきり。

何かあったら、自分でモミ消しますから

と会長へご報告。

相手選手の偶然当たった肘に腹を立て、
相手の顔面に肘を落すといったようなことも平気でします。

これには

やられたことをやり返しただけ

とコメント。

試合前日の計量後、クミが沢村の握った拳で殴られかけます。

ボクサーなのにめちゃくちゃです。
普通にライセンス剥奪もの。

そんな沢村はカウンターパンチャー使いで、
技のキレは宮田以上と言われ、相当の実力者です。

沢村は一歩の必殺技、デンプシーロールを無様な技と言い放ちます。

沢村が実力者でありながら平気で反則を行うことに、
ボクシングが大好きな一歩はボクシングを侮辱されたと感じて怒りを覚えます。

そして防衛戦で沢村を指名します。

ただ沢村は一歩にとって最悪の相手でした。

沢村のカウンターがデンプシーロールにとって、もっとも相性が悪かったからです。

練習で一歩はヴォルグにデンプシーロールにカウンターを当てられ、
手加減されながらも気絶し倒れます。

デンプシー破りがはっきりわかってしまった状態で一歩は試合に望みます。

序盤から沢村は足をかけて一歩を尻もちさせ、そこへ右を打ち下ろします。
当然、沢村は減点。
一歩の怒りがさらに増します。
さすがの悪役ぶりですが、これは沢村のシナリオ通り。

反則まがいの沢村に怒りの一歩は連打で押し込みます。

ボクシングをバカにするな!!

一歩の右が沢村の顔面に直撃し、沢村はダウンします。
立ち上がりますが、フラつき効いてしまいます。

しかしここで沢村はとんでもない作戦で回復します。

一歩ともつれあって、足でひっかけて倒し、自分のグローブのテープを口ではがします。

ずるいぞお
 自分ばかり殴って・・・オレにも殴らせろよ

テープがほどけて、一時試合中断。
テープを直している間に沢村は回復します。賢い!!

そこから沢村が本来の構えになり、

左のジャブ『弾丸』(バレット)で一歩を押し始め、一歩が懐に潜って反撃しようとしたところに沢村の右ストレート『閃光』(センコー)がカウンターで入ります。
一歩のマウスピースは飛び、ダウン寸前までいきますが、なんとか持ちこたえます。

今までの反則行為は全て沢村のシナリオでした。
一歩をカッカさせ、攻撃を単調にし、懐に潜らせたらカウンターを放つ戦略でした。
だいぶしたたかです。

お互い持ち味を発揮し、ついに一歩がデンプシーロールが繰り出します。
そこへ沢村は待ってましたとばかりにカウンター。
一歩はまともにくらいます。

一歩を殴りながら沢村は

これはいい! 最高の肉だ!
どこを切っても美味い肉だぜ!

という悪童ぶり。

そして、また一歩はデンプシーロールを繰り出しますが、また沢村の閃光でカウンターをくらいます。

しかし、一歩は倒れない。
それはヴォルグに一度もらって知っていたから。

そこからレフェリーストップになりそうながら、一歩は左を沢村にあてていきます。

まずいっ
 食いあきたぜっ

一歩の背中に沢村がエルボー。また減点。
さすがの悪役ぶり。

そして、一歩が3度目のデンプシーロールを繰り出し、
沢村が息の根を止めようと渾身の閃光で迎え撃とうしたところで、
一歩のデンプシーロールが止まります。

止まれない沢村の閃光がそのまま流れたところを
一歩の右がまともにあたり、沢村はダウンします。

沢村は立ち上がって、レフェリーの後ろにしがみついて、パンチから逃れます。
賢い!

一歩が沢村を追い詰め始めます。
沢村は流れを止めるべく足をかけようとしますが、
集中していた一歩はひっかけようとした足をかわします。

一歩がデンプシーロールでトドメを刺しにいきます。

沢村はデンプシーロールが止まったところを狙い撃とうとしますが、
一歩はそれをかわし、次の動きでデンプシーロールをまた止めます。
止まらない沢村の左にかぶせた一歩の左が直撃し、
そこからいつものデンプシロールで沢村をボコボコにします。

沢村は土下座するかのようにダウンし、試合終了。

正義の一歩と悪の沢村の軍配は一歩にあがりました。

この試合を盛り上げたのは、
沢村の強烈な悪役ぶりとボクシング能力の高さ、
そして『弾丸』『閃光』といった技の名前。
沢村の会長が名付けたことになっていますが、ネーミングセンスです。
間違いないく沢村のおかげでこの一戦は盛り上がりました。

この後、間柴と沢村の悪役(間柴はこの時点では沢村に比べるといいヤツに見える)同士の一戦がありますが、これもなかなかの戦いです。

興味のある方はこちらも是非見てみてください。

まとめ

やればできる

はじめの一歩はすでに120巻を超えていますが、
こう見るとベストバウトは前半戦に寄っている気がします。

60巻前は前半に括られちゃうので、これがまたスゴいことなんですが・・・

はじめの一歩では、対戦相手の生い立ちや性格、試合の持つ意味などが丁寧に描かれています。
キャラクターの背景が枯れていることで、試合への没入感、感情移入もしやすいです。
近年だと鬼滅の刃もそんな感じですね。

私も115巻くらいまで購入していましたが、
一歩のパンチドランカー疑惑、そして引退といったところで単行本の購入が止まっています。
本棚の空きがだいぶなくなってきていることもありますが・・

読み返してみたらやっぱりおもしろいマンガであることがわかりました。

はじめの一歩を読んだことない人がいたら、ひまある時に一度読んでみるのもいいかと。
全巻読むのはかなり大変なのですが・・。

したっけ!

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